ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 『神旅。』 9話UP♪ ( No.34 )
- 日時: 2011/01/01 19:12
- 名前: 空駆ける天馬 (ID: U3CBWc3a)
【第9話 vs法堂天次郎】
『ぎ、ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!』
シィに押され、法堂はシィと共に体育館の屋根から落下していた。
シィは笑顔を浮かべながら法堂の腹に座ると、手の平に小さな竜巻を創り上げた。
『私は風の神シィファン♪バイビー♪』
シィが法堂の顔に竜巻を押し付けた瞬間、法堂は回転しながら落下していくスピードが上がった。
『くそがぁぁぁぁぁぁ!!!!!!』
ズゥゥゥゥゥン......
法堂はそのまま地面に叩きつけられ、辺りが砂煙に包まれる。シィは着地すると、笑顔で何度も頷く。
『やっぱ私は強いな!!』
シィが勝利に浸っているその瞬間だった。砂煙が一瞬で晴れ、物凄いスピードで法堂が向かってきた。
頭から血を流しているが、あまり攻撃は効いていないようだった。
『蛇野郎め……。私が制裁してやる!!』
ビシッと人差し指を指すと、シィは両手の平に竜巻を創りだす。そして、法堂に向かって走り始めた。
法堂は蛇化した下半身でスルスルとシィの近くまで来ると、爪が鋭くなった手でシィを攻撃した。
しかし、シィは軽やかに避け、法堂の背中に滑り込んだ。
『喰らえ!!竜巻突き!!!』
シィは両手にできた竜巻を法堂の背中に当てた。すると、法堂は回転しながら勢いよく飛んでいく。
『うぐっ………二度も効くか!!!』
空中で器用に体勢を戻し地面に着地してシィを睨みつける。しかし、先程までいたシィの姿は消えていた。
『………?どこに行った?』
『じゃあね♪蛇男♪』
『なっ!?』
シィはいつの間にか法堂の上に移動し、両手で大きな竜巻を創って法堂めがけて落下してくる。
『な、何でそんなに早く行動ができんだ!?』
『まぁ、適合者は生徒会長だし♪』
シィは笑顔で言うと、そのまま大きな竜巻を法堂の顔面にぶち込んだ。
『喰らえ!!必殺大旋風突き!!!』
シィが叫んだ瞬間、法堂は竜巻に足を取られバランスを崩し、そのまま地面に叩きつけられた。
『ぬぐっ……ぐ、ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!!』
更に回転しながら地面にめり込んで行き、5メートルほど地面にめり込んだ所で止まった。
法堂は白目を向いて気絶しており、融合神の姿から元の姿に戻っている。
『よっしゃ!!!勝っちゃったぜぇぇぇ♪』
シィは可愛らしくピースポーズをとると、スキップしながらその場を後にした。
*******
一方、怪我をしたテミスを抱えた柚羽を先導に、コヨルは体育館から離れていた。
「ここまで来れば大丈夫かな……」
柚羽はあまり生徒や職員が来ない体育倉庫裏に隠れ、怪我をしたテミスをそっと地面に寝かせた。
コヨルはテミスの容体を見ながら柚羽に質問する。
『お前何ものじゃ?亜人なのか?』
「そうよ。あなたのことは前々から知ってる。シィとユファから噂を聞いてるわ。」
コヨルは柚羽の言葉を聞くと、白髪をボリボリと掻きながらため息をついた。柚羽はコヨルの表情を見つめる。
『その噂は誤解じゃ。わしは5遁神魂じゃない。それより、テミスは大丈夫かの……』
「大丈夫。結構ボコボコにやられてるけど、命に別状はないわ。」
柚羽はそう言うと、立ちあがって体育館へと走り始めた。
『ど、どこに行くんじゃ!!』
「校内で不審者が暴れてるのよ。生徒会が黙って見逃すわけないわ。」
柚羽は微笑みながら言うと、そのまま体育館へと向かって行った。
コヨルは気絶しているテミスを見ると、立ちあがってどこかへと走っていった。