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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 『無題』題名とオリキャラ募集 ( No.50 )
- 日時: 2011/02/03 20:11
- 名前: 桜音 ◆sakura.bdc (ID: ghfUqmwe)
「此処は……」
目を開けて、前を見たら。
そこにあったのは美しいという表現すら陳腐に思えるほど綺麗な、金色の光を放つ泉だった。
若草色の草木、真っ赤な木の実。
なんというデジャブ?
とりあえず前の時にいた女性はいない。
しかもあたりをとりまく雰囲気が変わっている。
そして、少しだがブーンブーンと何かの羽音が聞こえている。
此処は危険だ。離れなくては。
そう思って、僕は駆けだした。
————行けども行けども、荒れ果てた土地以外に何もない!
大方あれはオアシスだったのだろう。
あそこを離れると、広がっていたのは荒廃した土地だった。
何かあると思った僕が馬鹿だった。
ゆっくりと速度を落とし、俯いて歩く。
と、バチッという音とともに何かにぶつかった。
「え?」
顔をあげたら、深紅の蜂のドアップでした。
明らかにおこっている。
まずい。まさかの死亡フラグ……!
僕は自慢の脚を最大限に使って、全速力で逃げた。
後ろを振り向いてみると……紅の雲が僕を追いかけてくる。
あの蜂の群れだろう。
「うわぁあああああ!」
意味もなく絶叫して、走った。
すると、今度は堅い何かにぶつかる。
ぴしり、と音がした。
何もない空間にヒビが入っている!
僕はそこを殴りつけた。
ヒビが広がる。
殴る。
ヒビが広がる。
殴る。
空間が割れて僕の世界の街並みが広がった!
僕はそこに転がり込むと、後ろを見ずに走り出した。
あの蜂の、ブーンブーンという羽音が頭に残って、消えなかった。
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