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————閑話————

「まさか、あんな力をあのガキが持ってるたぁ……驚いたなァ。」

朱色の髪の毛をさらりと揺らし、マリンブルーの瞳を笑みの形にゆがめながら、その人物は背もたれに緩慢な動作で寄りかかった。
身長は180から190cmの間だろうか、長い脚を組んで、手を前に伸ばして、伸びをする。
白いジャンパーを着こなし、それには十字架のバッジが五個ほどつけてある。
少し汚れ、くたびれたGパンは、少し破れていた。
ファーがついたこげ茶色のブーツをトントンと床に打ち付けながら、鼻歌を歌う。
青いキャスキャットを被っているので、顔だちははっきりと見えない。
手には様々な種類の銀色の指輪がはめてある。

「でも、この俺様にかかればどんな敵であろうと一網打尽だろう？」

にやり、と己を称賛するのは、整った顔立ちに銀髪の青年だった。
右に赤、左に青のカラーコンタクトをしている。
その左右対称の瞳にかかる銀髪が落とす影が、彼の顔に凄みのようなものを加えていた。

「その通りですわね。」

真中で分け、胸の辺りまである漆黒の髪を綺麗に梳って、後ろに結んでい、髪と同じく漆黒の瞳を持つ典型的な日本人体系と顔の乙女は、にこりと微笑みながら彼の言葉に賛同した。
マリンブルーの瞳を持つ人物は、つまらなさそうな顔をすると、ため息をつきつつも「そうだな。」と相槌を打った。
銀髪の青年はそれに気をよくしたのか、「そうだろ!?」と笑顔で乙女の肩を組んだ。
乙女がまぁ！　と声を上げて桃色な雰囲気になっているのを傍目に見ながら、マリンブルーの瞳を持つ人物は呟いた。


「俺達を楽しませてくれよ、【終端の騎士】……」