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Re: 白銀セレナーデ ( No.2 )
日時: 2011/01/08 10:37
名前: Giraf ◆yFWCdky9Fs (ID: cebg9jtM)

第一話





「…静かだな。」
静寂という言葉がとても相応しい今のサディーモは何処かしら不思議な感じがする。
誰もが外に出歩いてない とても珍しい光景だ。
少し視線をずらせば歩いている人は少しだが見える。
しかし視線をまた動かすと誰も居ない場所で草木が揺れているのみ。
——————今日のサディーモは何処かしら変だ。


「エド 何してるんだ?」
俺の友人が手を挙げてそう訊いてくる。
こいつも歩いていたのか、と少しちょっと俺は動揺する。
もはや同類と言った方が早い。

……言い忘れていた 俺の名前はエド・フェンブル そして友人の名前はヴァン・ソルエト。
幼少時代からの友人で…昔は良くこいつと遊んでいたな。
一時期ヴァンが大都会イーストデットに戻った時は俺はとても泣いてたな。
今思うととても恥ずかしい。

「いや…ちょっと散歩だ。」
返答に遅れたものの、ヴァンの質問に答える。

「…お前が散歩なんて珍しいな 今日はとても人が少ないんだな…珍しい」
どうやらヴァンも俺と同じことを考えていた。
さすが幼馴染 思う事は一緒だな、と俺は心の中で感嘆の声を漏らす。

雲ひとつ無い晴天でもない、雨でもない曇天の中俺とヴァンは空を見上げる。
こんな日はまたとない 静かで不思議で可笑しい日。