ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 白銀セレナーデ ( No.3 )
日時: 2011/01/08 10:49
名前: Giraf ◆yFWCdky9Fs (ID: cebg9jtM)

第二話


いや…むしろ可笑しい日ではない 不思議という例えが一番合う日だ。
と心の中で何気なく無駄な事を俺は訂正しながらベンさんの酒場に足を運ぶ。


からんからん。

俺達がドアを開けると、鈴が俺達を歓迎してくれているのか否か音を鳴らす。
綺麗な音色という訳でもないけど、そう謙遜してしまう音色。


「ベンさん久しぶり 元気?」
俺がそうベンさんに視線を向けて訊く。

「ああ元気だよ そういうお前らはどうだ?」
ベンさんは俺とヴァンビールグラスをタオルで拭きながら視線を向ける。

「無駄に元気」
俺とヴァンが揃えてそう言う。

「まあ若いモンは今のうちに人生を楽しんどけ 大人になって楽しめばよかったって後悔するからな。」
ベンさんがそう微笑みながら言う。

「ふーん」
ヴァンはあまり分かっていないのか普通に相槌を打つ。

「…で、何を注文するんだ?」
「ビール」
「未成年は酒飲めないだろ。」
「ちぇっ… じゃあ水と鶏肉の照り焼きでいいや。」
「よし、味には自信があるからな 待ってろよー」

テンポの良い会話が終わりベンは水を持ってくる。

「こんなのでいいのか?」
「うん」
ベンの質問にまた二人はそう声を揃えて答える。
まるで、兄弟の様に。

「じゃあ鶏肉の照り焼き二人な ちょいと待ってなさい。」