ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: Devil Moon〜悪魔と契約した男〜 ( No.17 )
- 日時: 2011/01/03 13:06
- 名前: 露草 (ID: loE3TkwF)
第三章
「やきもち」
学校に着くなり沢山の女子生徒が二人を待ち伏せていた。
「望夢君、私が作ったお弁当食べて下さい!!」
「私のも食べて下さい!!!」
次々と積み重なる弁当の数…。
「はぁー…時間返してくれる?」
ふいに浩太が呟いた。
「しょーがねーだろう!!俺だって、こんなの予想してなかったっての!!」
「予想って…確か昨日もこんな事あった気がするんだけど」
「ははは……そうだっけ?」
すると、女子生徒がキャーキャー騒ぎ声がさっきよりも一段と大きくなった。
「キャー!!“由莉亜”様ぁ〜〜!!朝練お疲れ様でしたぁ〜〜!!」
“由莉亜”と言う名前の響きに、望夢はビクリと反応する。
あっちもこちらの状況に気が付いたのか、一瞬こっちを向いた。
「べ〜〜〜だ!!」
ガ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン………。
浩太はそのシーンを見て、後ろで軽く笑った。
「死にたい…」
昼休み、朝の出来事が未だ忘れられずに居た。
「まだへこんでるの?もう、昼過ぎなのに」
「うっせー、うわ〜〜ぜってぇー怒ってるよな…どうしよう…」
両手で頭をかくも、何も思い浮かばない…。
「そんなに悩んでどうすんさ?普通に謝ればいいだろう」
「どうやって…?」
「今日は何曜日?」
「…水曜日」
一瞬、何言ってんだコイツ…と思ったその瞬間。
「そうか!!今日は職員会議で水曜日だから、全部活休みだったけ!?放課後一緒に帰って誤解を解けば…」
「そんな風に簡単に事が進んで謝れればいいけど」
なっ…なんだよ!!自分から言っといて…超ムカつく!!!
「まぁ、彼女の事だからそんなに心配しなくても大丈夫かな」
「おい、何一人で解決してんだよ…」
「別に。特に何も」
「(何故だろう…いっつもコイツと会話してると段々ムカついてくるのは…何故だろう…)」
口論しているうちに、昼休みの終了時間が鳴った。
「(放課後かぁ…今朝の事もあるから、由莉亜会ってくれるか心配だけど……ここは、一か八か!!絶対、誤解解いて見せる!!)」