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- Re: Devil Moon〜悪魔と契約した男〜 ( No.19 )
- 日時: 2011/01/03 15:30
- 名前: 露草 (ID: loE3TkwF)
第四章
「大切な人」
「今朝の事は悪かった!!本当にごめん!!でも、あいつ等とは何にも無いから!!誤解だから!!だから、その……」
土下座して謝ろうとした瞬間—————
「もういい…」
ふと、彼女が呟いた。
「もういいって…まさか、別れようなんて思ってるんじゃ……」
彼女が発した言葉にどんな意味があるのか…全然、分からない。
「あ〜〜もう!!!そんなんじゃないってばぁ〜〜!!!!!」
突然、彼女が怒鳴り始めた。
望夢は掴んでいた腕を放してしまった。
「そんなんじゃない…望夢が他の女子達にちやほやされて、おまけに弁当なんか渡しちゃって……。ホント、ムカつく!!」
うん?それは…どっちに対してのムカつく??
「彼女前にして、あんなにデレデレしちゃってさぁ〜〜!!あたしと毎日弁当持ってくるアイツ等とどっちが大事なのよ!!!」
あっやっぱ、俺か…。
「ちょ…落ち着けって!!もちろん、お前に決まって……」
ブブッッ————!!!!!!!!!!
突然、車が二人の間に現れた。
しかし、一番近くに居た由莉亜の反応が遅く、彼女が気が付いた時にはもう車が間近に迫っている。
「由莉亜ぁ〜〜〜!!!」
叫びながら、望夢は車と衝突寸前の由莉亜の元に飛び込んだ。
「ったく、気をつけろよな!!何処も怪我してないか、由莉亜?」
危機一髪、由莉亜が引かれなく済んだが、由莉亜の様子がおかしい。
「由莉亜?まさか、どっか打ったか?何処痛い??」
だが彼女は大きく首を振った。
「……ありがとう。助けてくれて」
彼女が胸の中でそっと呟いた。
「ばーか、大切な人守れなくて何が彼氏だっての!!俺ももっと早く気付いてれば良かったな、ごめんな」
陸上辞めて2年になるけど、瞬発力だけは何とか落ちて無いみたいだな…。さすが俺!!
だけど、もしあの時一秒でも気付くのが遅かったら…。
そんな事考えたくもなかった。
でも、良かった何も無くて。
誤解も解けたみたいだし。
とりあえず、一見落着…かな?