PR
ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 妖殺-アヤカシコロシ-(オリキャラ募集にご協力下さい) ( No.20 )
- 日時: 2010/12/30 11:06
- 名前: 血液嗜好症 ◆h2SnHB8xxs (ID: OeXJRIuY)
“貴様を救えるのは妾たちだけだ”って……。あたし、別に救ってほしいわけじゃないし。
「“妖”を見たくないのだろう?」
あやかし? 何、妖って。
「貴様にいつも纏わりつく禍々しい物体だ」
あぁ、あの気味の悪いドロドロの……。妖って名前があったんだね。
「でも、救うってどうやって……」
小さい頃、色々な霊媒師さんに診てもらったけど、誰もどうしようもできなかった。
もともと、霊媒師なんて信じてなかったけど。
「妾たちはその辺のインチキ商売とは違うからな」
と、古い見た目が素敵な洋館の扉を勢いよく開く。
すると、今までに嗅いだ事のない嫌な臭いと、押しつぶされそうな何かに襲われる。
「やはりな」
と、至極楽しそうな瞳で、上着を脱いであたしにかけた。気持ちは幾分楽になった気がする。
「あっ……!!」
一人の男の子が“しまった”と言うような顔で振り返る。男の子の視線の先には、きっと妖だと思う。
でも、いつもあたしが見るようなのとは違う。もっと強そうで、こう……。ボスみたいな感じ。
「己の生きる場所さえも知らぬ愚か者め」
と、次は嫌そうな怒った顔でマフラーを外し、そのマフラーが妖を縛りつけるように撓る。
「愚か者には愚かな死に姿を晒させてやろう」
と、彼女の長い脚が、妖のお腹って言っていいと思う部分に貫通する。
妖は、言葉にならない呻き声を上げ、動かなくなった。
彼女の白い脚は、綺麗な赤ではない、赤紫のようなグロテスクな血に塗れていた。
PR