少女は、小さく体を震わせた。 薄暗い廊下は冷えて、か細い体から熱を奪っていく。 ぼんやりと火を灯すランタンを、少女はアラウンド・クレドリューの絵画から下ろした。 少女は冷えた体を抱きしめる。体は冷え切り、冷たかった。 ゆっくりと、少女は歩く。闇に飲み込まれた廊下は、ランプの灯りだけがゆらゆらと漂い、鈍く辺りを染め上げた。締め切った窓の外からは、風のかすれた音だけが耳に届く。暗い廊下は少女のこつりこつりと響く足音と、唸るような風音が廊下に吸い込まれていった。