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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 葬送楽団 復活しましたあ(*^ワ^*) ( No.22 )
- 日時: 2011/02/19 23:52
- 名前: まる (ID: r23iY2yR)
やわらかな暖かさが体を包み込む。
少女は困惑しながらも、小さく感謝の言葉を述べこくりと頭を下げた。
そんな少女を見つめ男は柔らかく微笑んだ。
「どういたしまして」
視線を避けるように頭を下げていた少女に、男は手を差し伸べた。
「……そういえば」
男は言葉を続ける。
「まだ——自己紹介、してなかったよね」
ゆるゆると頭を上げ、男に瞳を向ける。栗色の髪、藍色の瞳。綺麗な藍色の澄み切った瞳が特徴的だった。自分とはさして変わらないだろう、若い男だ。やや丸い瞳の奥では優しげな色たたえている。
「レウ、レウ・アドリブ。——よろしくね」
自分に向けられている手を、輝きを失ったガラス玉のような瞳で凝視し、数秒後おずおずと男の手をとる。ごつごつと硬く筋張って、幾つもの傷が肌を埋め尽くしている。
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