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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- 葬送楽団 ( No.25 )
- 日時: 2011/02/20 22:06
- 名前: まる (ID: r23iY2yR)
「ねえ、ジョシュア?」
口を開いたのは始めの少年だった。
呼びかけられた男は、視線を地上に戻しもう一度月を見上げ、そしてゆっくりと彼らに向き合った。長くウェーブのかかった髪が透明な音をたて、腰にさらりと流れる。端整な顔に笑みを浮かべ、少年たちに笑いかける。
「……やっと見つけたんだよ」
瞳を細め、柔らかく彼は囁いた。
「ずっと僕らは不完全だった……どんなに足掻いても届くことの出来ない溝—— 完璧に近づくためのカナリアは今まで現われなかった」
黒髪の少年は眉を潜め、小さく唸る。困惑しながら答えを求めるように周りにいる男たちを見渡した。
「…… どういう事だ?」
誰もが溜息をつき感嘆するほど完璧な容姿を持つ彼は、酷く美しい笑みを浮かべた。
「翡翠—— 君も目的にたどり着くことが出来る。彼女は僕らを導いてくれる。やっとこの苦痛から救われるんだ」
戸惑いの色を浮かべながら、黒髪の少年——翡翠は、首を傾げる。
「彼女?……いい加減回りくどい言い方やめろよ。俺が分かるように話せ」
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