ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Prologue「夢」 ( No.1 )
日時: 2010/12/29 22:35
名前: 月詠 ◆hjAE94JkIU (ID: 81HzK4GC)

真っ直ぐに剣を構え、前進する。舞うように軽やかに、美しく。
次々に広がる赤い波紋が、彼の周りを満たす。

しかし、男の目にあるのは一人の女のみ。
女は軽く口端を上げるように笑う。目の前に命を散らす者など気にも止めずに。
返り血を浴びても尚、美しいその姿は、さながら戦いの女神というところか。

徐々に距離を詰めていく男と、それを楽しむかのように傍観する女。
遂には女の前に立ちはだかる者もなくなり、男はその切っ先を女へと向ける。

女は動じず、手にした長剣を軽く払う。
右後方に回した長剣が光を帯び始め、女は口を開く。

「お前は、何の為に戦う。誰が為に、その剣を振るうのだ」

男は構わず剣を降り上げ、切りつけようとした刹那_____________


長剣から閃光が走り、意識が遠のいていった。