ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

第一章 出逢い ( No.2 )
日時: 2011/01/02 13:04
名前: 月詠 ◆hjAE94JkIU (ID: 81HzK4GC)

「夢……か」

葉がこすれる音。小鳥のさえずり。少し冷たい空気。
その中で、エルンスト=ハンスは目を覚ました。
よっかかっていた切り株から体を起こすと、深い紫色の髪がふさりと揺れる。
肩につくかつかないかぐらいの、男にしては少し長めの髪。

「僕は……」

頭の中を探り、何故自分がここにいるのか思いだそうとした。
が、何も思い出せない。いくら考えてみても、自分の名前意外、何も出てこないのだ。

「僕は……エル。エルンスト=ハンス、なんだね。」

少年______エルは一人で呟いた。
ふと、辺りを見回してみたが、周りは木ばかりで、人の気配すらない。
ふと自分の姿を見てみると、白いワイシャツにチェックの半ズボンという軽装に、
何故か背中には自分の身長とほぼ同じくらいの剣を担いでいる。

「剣……。何で僕こんなもの持ってるのかな……。
 ねえ。僕、どこから来たのかな。君達、知ってる?」

答える筈が無いと分かっていながら、木の上で冴えずる小鳥達に問いかけてみる。

「まあ、返事するわけないか」

そう肩を落とした時、自分の真上から物音を感じて顔をあげた。
すると、

「うわっ! ちょっ、上向くな_________ 」

上から降りてきた(落ちてきた?)何かがエルの顔面に突っ込んできた。

「痛っ! 何だ……?」

顔を抑えていたエルが目を開けると、そこには色鮮やかな鳥が。

「ただの鳥じゃねーぞ! オレはオウムだ。 オ、ウ、ム! よーく覚えとけ!」

先の赤い緑色の羽をバサバサさせながらそう言い放つ鳥を、
エルは呆気にとられたように凝視した。

「何だよ。そんなに見るなよ。恥ずかしーなー」

「と、とと、鳥が……喋ってる……」

「鳥が喋ったら悪いかよ?」 

「い、いやいや……そんなこと無い……無い……けど」

「そうだろー? 何せオレ様は特別だからな」

鳥(自称オウム)は偉そうにふんぞり返りながらそう言った。
エルは「特別」という言葉に引っかかって訊きかえす。

「特別?」

「あぁ。オレ様は選ばれし鳥だからな。知識も豊富なんだ」

羽先で自分の頭を指(?)指す鳥(自称オウム)を見て、エルはふとあることを思いたった。

「ねぇ、何でも知ってるんだよね?」

「あぁ、もちろん!」

「じゃあ、この森から出る道も知ってる?」

「あったり前だろ!」

「じゃあ、連れてって」

「え……」

「何でも知ってるんでしょ?」

エルが怪しむような目つきで鳥(自称オウム)を見つめると、
オウムはしばらく考えこんだあとに顔をあげた。

「わかったよ! 案内してやる。ついてこい!」

それを聞いたエルはにっこりと笑うと、勢いをつけて立ち上がった。