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Re: からっぽMAGIC ( No.14 )
日時: 2011/01/22 21:36
名前: 木馬 (ID: OfqjeFpF)

——暗い、寒い

徐々に薄れていく意識が死を予感させる。自分の名を呼ぶ少女と高笑いする男の声
胸に広がる痛みと胸から広がる虚無感

「死ぬの……か」

それは呆気なかった


「フハハハハ、人とは如何に脆弱なものか」

ルシフェルは高笑いとともに手に持つ剣に刺さった鼓動する球状のなにかを
手に取る

「これが……許されざる力。Dの力そして時の導」
「先生になにをした!」

突如ルシフェルを蒼い炎が包むが意に介さず振り払うと炎は一瞬で消え去る
真っ黒なローブの中から覗く仮面から表情は読みとれないが恐らく笑っている

「異能とは魂に刻み込まれた傷そのもの。トラウマの一種と言ってもいい
その傷は深い。癒されるには……死を持って解放されるほかない」

鼓動する玉を自身の前にかざすルシフェル。すると服を透けて体に入っていく

「一次元、点。二次元、面。三次元、空間。。そして四次元、時間
我が欲した時をも操る業の力。これさえあれば愚かな神に罰を…………」

「——させると、思うか?」

突然、声がした天井が轟音とともに崩れ落ちる

「ルシフェル……お前の思い通りにはならない」

続けて降りてきたのは黒い線で幾何学的な模様が入った白いロングコートと
目深に被ったフードの奥から覗く少年の顔、両手には白銀のクレイモア

「貴様は?」
「俺の名はアンフォーギヴン。俺は決してお前を許さない」