ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: からっぽMAGIC ( No.6 )
- 日時: 2011/01/04 21:12
- 名前: 木馬 (ID: OfqjeFpF)
堀内を蹴った帰り道、俺は真っ黒なコートを着た黒い長髪の男に呼び止められていた
「君の能力を見たいのは少なくない。見せてくれないか? 籠野ユウ」
名前を知っているってことは結構緊迫した状況なのか。現に俺はコイツを知らない
少なくとも友好的な雰囲気はない
「私はインフィニット。もう一度言う君の能力……見せてもらえないか?」
「断る。俺は見ず知らずの奴となれ合うほど出来ちゃいないんでな」
着た道を引き返そうとして後ろを向き歩きだそうとしたとき
不意に背後から寒気に似た何かを感じる
「連れないな。君のD-メイカーには興味がある。是非一度見てみたいのだよ」
インフィニットと名乗った男は俺が逃げるよりも早く俺の肩を左手で掴む
なんて力だ。肩が潰れそうなほど痛い。コイツも身体強化型か?
「私の能力は”法を乱す悪魔の左手”面白い能力でね」
俺はとっさにふりほどき手を前にかざし、二次元の見えない壁を作り出す
そう、これが俺の能力、点、面、空間を生み出す能力。これはそのうちの一つ
面の発生で全く視認できない壁を作り出して距離を取る
「人というのは精密にできた機械のようなものだ。行動はプログラムと言ってもいい
私の左手はそれを書き換え、あたかも自らの行動のように感じさせる
故に法を乱す悪魔のような力だ。そしてこれが……」
インフィニットが右腕を振ると同時に俺の体がなにかで叩かれたように横に
吹き飛び近くの茂みに落下する。なにが起きたんだ? 今のも俺の行動なのか?
「私の右手の能力”征服する神の右手”他者の能力を使役する。今の世の中で
神のような能力だ。右手と左手が私の能力。どうだ?
君も本気を出さないと危ないぞ」
知ったことじゃない。俺は三次元の空間を生み出し二次元の面で囲い
多分八角棍のような空間を生み出す。なにしろ俺も見えない
それらを大量に生み出し俺とインフィニットを点と点で繋ぎ飛ばす
致命傷にならなくともこれで時間は稼げる
「言っただろうプログラムだと。私が君の能力を使いそこの茂みへと飛ばす
そうすれば君は能力を使い時間を稼ぐ。全て私の掌の上だ」
俺を多い囲むように土煙が上がる。これは見えないが俺の八角棍だろう
見えない牢獄となった俺の生み出した空間を消そうとしても消えない
インフィニットに乗っ取られているからか?
「籠野ユウ。君の能力は実に面白い。だがまだまだ私の足下にも及ばないな」