ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: からっぽMAGIC ( No.7 )
- 日時: 2011/01/05 15:38
- 名前: 木馬 (ID: OfqjeFpF)
制御を乗っ取られた自分の能力のせいで身動きがとれない
このインフィニットという男の能力は厄介すぎる。死角が見あたらない
「もう少し手応えがあると思ったが……まぁこんなものか」
インフィニットの腕が伸びてきて俺の頭を掴む。右手ということは改竄じゃない
「ふむ、今日はこれくらいにしておこう。次に会う機会があればまた手合わせ願うよ」
インフィニットは俺の能力を解くとゆっくりと宙に浮く。一体幾つの能力があるんだ?
目にも留まらない速さで飛び去っていくインフィニット。奴は何者だ?
都会の建設途中で廃棄された廃ビルから夜の摩天楼を見渡す少女
銀色の髪とゴスロリ調のドレスからまるで人形のように見える。仲間内から
シンクロシニティと呼ばれる少女は怪しげな笑みを浮かべながらじっと
街を見つめている
「彼はどうだったかしら? 仲間に出来そう?」
階段を上がってきた長身の男インフィニットに対して少女は訊ねると
インフィニットは小さく笑い
「あぁ、彼はこちら側の人間だ。それともう一つシンクロシニティに見せたい
我らの新しい仲間、名をアンフォーギヴン」
インフィニットの陰で見えていなかったが白いコートを着た高校生ほどの少年が
フードを目深に被って立っていた
「君や私と同じ特殊進化型。是非君に力を見せたくてね。アンフォーギヴン
手加減は失礼だ。全力でいくといい」
コクリと頷いた少年は身を屈めるように真っ直ぐ走る。腕は振らず不格好だ
「歓迎するわ。アンフォーギヴン。さぁ、あなたの力を見せてちょうだい」
シンクロシニティの手はオレンジ色に光り出すのとほぼ同時に少年の手に突然
二本の白銀の綺麗に装飾のされたクレイモアが生まれる
それらを振るとシンクロシニティの手の光が途絶える
「能力は”粛正する尊き天使王”私や君、いや日本中の誰もが抵抗できない
完全無効化能力。君の”絶望する天の光”すら防ぐ」
「ふふっ、素晴らしいわ。よろしくアンフォーギヴン。自己紹介しないとね」
待っていたように陰から三人の男女が出てくる
「アイデンティティ、”完全主義者”よろしくな」
金髪の長身の男が言う
「ヴェロニカ、”屈服させる絶対強者”……よろしく」
眼鏡をかけた黒髪の小柄な少女が面倒そうに言う
「デイドリーム、”癒える事なき悲しき傷跡”よろしく頼みます」
最後に和服を着た妖艶な女性が言う