ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: からっぽMAGIC ( No.8 )
- 日時: 2011/01/06 00:06
- 名前: 木馬 (ID: OfqjeFpF)
インフィニットの突然の襲撃から一週間が経った。その間俺の周りに変化は無かった
世間もこれといった騒ぎもなく。俺に接触してきた人間も居ない
「…………補修を始める」
が、そんなことはお構いなしに俺の時間は削られる。悲しいかな一週間の間に
行われたテストを全て欠席の奴がいた
名を御津クレハ。学年トップの学力だが奇人過ぎてDクラスになった変わり者
艶のある黒髪をまっすぐ伸ばし白いカチューシャで止めている
容姿も美麗といって差し支えない。お嬢様と言っても通りそうなほどだ
「俺は明日からアホどもの補修もあるんだが……」
と、愚痴ってみるものの御津は完全に無視し与えられた課題を済ましていく
俺が担任になってから御津の声を聞いたのは数えるほどだ
まぁ静かな分、アホどもよりはマシだが
それから小一時間で御津は帰っていった。ちなみに課題の方は全問正解
最初からこうしてくれれば文句はないんだが
「そのような顔をしていては幸せが逃げるぞ?」
「うるさい。お前等がちゃんとしてくれれば俺は文句を言わない」
廊下を歩いていると後ろから凛とした声で呼び止められるが構わずに歩を進める
すると、呼んだ本人は俺の隣を歩く
俺よりは低いが長身と目のやり場に困る体つきに学校一と呼び声高い容姿
能力の副産物らしいが薄い青色になった髪をポニーテールにした女生徒
生徒会長、染代リョウコは続ける
「それは無理な相談だ。私たちは学生だ。今を生きることに精一杯なのさ
後を省みず目先のことに全力を尽くす。若い今だからこそ。
そうやって毎日を生きているんだ。そして最後に笑って省みることが出来れば
それを青春というのだ」
学年次席の学力で生徒会長と嘘のようなステータスだが彼女もDクラス
理由はあまりにも自由な性格の為。だが彼女は芯は多分
俺たち教師よりしっかりしていると言える。現に今の言葉は大人の下らない御託より
的を獲ていて俺も少なからず同意する。そういった少年少女を後ろから追うのが
俺たちの一つの役目なんだろう
「そう、かもな。それより力の方は大丈夫か?」
彼女の能力は実は不安定だ。制御こそ出来るものかなり危険な能力だ
そのため俺がよく手を貸している。この学校で唯一俺の能力を知るのも彼女だ
「あぁ、今のところは安定している。この”欲する蒼き焔”は先生無しじゃ
もう使えないも同然だ。ふふっ秘密の共有というやつだな。これからもよろしく頼むよ」