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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 質問です。生きますか?死にますか? ( No.1 )
- 日時: 2011/01/02 21:48
- 名前: 京 (ID: QDm7ZT.A)
〜プロローグ〜
「ここどこだよ」
イラだったように声をあげる彼・・・いや彼女というべきだろう
その彼女は太陽に反射する長い銀髪を持っている
しかしここは太陽なんてない
ましてや地面というものも見つからない
彼女は苛立ちを隠せず舌打ちをする
「まぁーっしろ、何で?どーして?まずここ現実世界?」
そう彼女の言うとおり
まわりは真っ白で何も見えない
ずっと広がっているように見えるがそれも分からない
そして、この様な場所が現実世界にあるとも限らない
それならここは?夢か?そんな思想が頭のなかに駆け巡る
分からないとでも言うように彼女は顔を歪ませる
「俺は何故ここにいるんだ?誰か答えろよ」
「なぁ・・・どこなんだよ・・・!ここは・・・!」
「誰かいねぇの・・・?なぁ答えろってばぁ!」
彼女は苦痛に耐え切れず膝を抱えてしゃがみこむ
膝から手を離し頭を抱える
はぁはぁと息を乱し、完全に理性を失っている
「何故?何で?どうして?」
『こた・・・おし・・・いか・・・?』
急に聞こえた途切れ途切れの声に俯いていた彼女は頭を上げる
彼女は声の主を探そうと辺りを見回す
それから再び叫ぶ
「アンタ・・・誰だよ・・・!なんていったんだよ・・・!」
『我・・・・ものなり・・・ぬし・・・もん・・・る』
「何・・・!?何て?」
『主にしつも・・・る』
「質問!?何!?」
彼女は辺りを見回しながら泣き泣き叫ぶ
どこからも聞こえてくる声に彼女は狂狂、狂う
『[{質問です。生きますか、死にますか}]』
いくつもの声が重なって
彼女はそれに喚き答えた
彼女は狂っていた
【あぁ・・・白い世界が壊れた・・・】
(私は忘れはしないだろう)
(狂った彼女の)
(あの涙を)
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