ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: コッペリアの柩+何が正しくて何が悪で+ ( No.2 )
日時: 2011/01/05 10:07
名前: 夜来香 ◆v7/lHHQpMI (ID: OeXJRIuY)

序章「神人形師と神人形」

神人形師、コッペリウス。私たちのお父様。その優しい手で、私たちを造り上げて下さった。

棚に無数に並ぶ人形。男も女も、恐ろしいくらいに並べられている。


  その中でも、彼が生涯をかけて作った人形、神人形。

神人形は彼の生命の欠片を宿しており、動くことも話す事もできる。
 そして、人間と同じくらいの背丈で、見た目は人間。かなり巧妙にできている、人ならぬ物。


   ただ“命を懸けて”と言うのはあまりにも重すぎた。

その重さに負けそうになったお父様は、時として失敗作を生み出してしまう。


───そう、彼女のように。


   わたしたちは彼女を止めるために、また動きだす。

 喩え何も変えられなくても、それがわたしたちの存在意義なら───。