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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 不幸少年の日常+非常識 ( No.3 )
- 日時: 2011/01/06 20:48
- 名前: 魑魅魍魎 ◆UTmvEGhzaE (ID: OeXJRIuY)
「失礼な……。私を洗濯物扱いするとは」
と、ベランダの手摺からヒョイと降り、煙管を吹かす。
「いやいや、冷静に煙管吹いてる場合じゃないでしょ」と突っ込みたかったが、それより早く彼女は、
「喜べ、貴様を私の家来にしてやる」
と仰った。俺は全てが理解できません。紅い洗濯物が俺を家来にすると? と言うか、貴方は誰ですか。何ですか。
「更にもう一つ喜べ。不幸が降り注ぐ貴様があまりにも居た堪れなくなり、扉の鍵を開けたのは我が魔法ぞ」
……はい? “魔法”ですと? この世にそんなもの存在しませんよ、紅き洗濯物。
「“紅き洗濯物”とは、私を激怒させたいようだな」
と、またもや煙管を吹き、独特な匂いが立ち込める。その香りに俺は顔を顰めながら、懐かしさを感じた。
そして「この洗濯物、読心術仕えるのか!?」と心の中で突っ込んだ。
「魔法はあるぞ。現に、貴様のその不幸も一つの魔法」
うわ、そんな力要らねぇよ。そして、今までの日常の不幸を急に魔法と言われても信じられないよ。
「さて、今晩はここに泊まるか……。寝台は一つのようだな。私が使わせてもらうぞ」
ちょっとちょっとぉ……。何ですか、この無礼な洗濯物は!!
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