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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 不幸少年の日常+非常識 ( No.10 )
- 日時: 2011/01/08 11:08
- 名前: 魑魅魍魎 ◆UTmvEGhzaE (ID: OeXJRIuY)
「姉さっ……」
女王と蔓に絡まれて、苦しそうな声を上げる弟。離れようと足掻くほど、強く食い込んでいく腕と蔓。
「このまま可愛い弟と死ぬのも悪くないな」
弟の後頭部を支え、掴む左手は、弟の頭蓋骨を砕くほどの握力が込められている。
「くそっ……。姉さ……ぁ……」
喉を激しく締める腕。密着した姉さんから香る妖艶な香りが更に俺を苦しめる。
蔓の所為で服は破れ、皮膚は裂け、血は迸る。そして、何よりも苦しいのが人間離れした力の姉さんの腕。
「武器を仕舞え。さすれば命は救ってやる」
毒々しい真紅の瞳に鋭く見詰められ、潰れてしまいそうに思い殺気を感じる。
このままでは本当に首を絞めて殺されるか、頭蓋骨を砕かれて死んでしまう。
「解、た……。だか、らっ……。はな、せぇっ……」
徐々に力を込めてくる喉元の腕。力が次第に薄められ、弟は解放される。
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「……俺は弦月下 帰流」
彼は、女王の腹違いの弟。弦月下一族を滅ぼしたのが女王の勢力だと噂を聞き、女王に復讐にやってきた。
だが、女王側には一切そんな事実はなく、女王を恨む人々の仕業だろうとされた。
……どうやら俺は忘れられかけの存在らしいが……。
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