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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 不幸少年の日常+非常識 ( No.12 )
- 日時: 2011/01/09 09:18
- 名前: 魑魅魍魎 ◆UTmvEGhzaE (ID: OeXJRIuY)
「覚悟はあるようだな」
と、夕食の時間に女王はこう切り出した。俺の心を見透かした言葉を。
「はい。逃げようとしても、逃げさせてくれないのでしょう?」
自分でもびっくりするぐらい冷静な声で、しかも敬語を使っていた。
「くくくっ……。流石私が見込んだだけある。敬語など要らないし、呼び捨てで構わない。気楽にな」
俺の言葉に満足そうに、至極嬉しそうに不気味な笑顔を浮かべる。
彼女の気が済めば、俺は帰してもらえるかも知れない。そんな淡い希望を抱き、目を閉じる。
「……私には敵が多い。私の勝手な都合で貴様を巻き込んだのだ。死んでも責任は取ってやる」
「(……)」
俺は、その言葉の意味が解らなかった。否、理解したくなかったのかも知れない。
「……死んでも、女王の血さえ呑めば生き返る。純血の不死族の血で」
俺の隣の、祥雲が教えてくれた。女王の血さえあれば、永遠に生き続ける事ができる。そう言う事なのだろうか。
「まぁ、呑まない方がいいんだけどな。お前の場合、呑まなきゃ仕方ねぇだろうな……」
次は右隣の守導がそう呟く。俺の正面の帰流は、不敵に笑っていた気がする。
「狂人」と言うのが相応しい顔で───。
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