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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 不幸少年の日常+非常識 ( No.22 )
- 日時: 2011/01/10 12:39
- 名前: 魑魅魍魎 ◆UTmvEGhzaE (ID: OeXJRIuY)
三章「毒に塗れた接吻と愛を」
「あの時の帰流は尋常じゃなかったからなー」
と言う事で、今は帰流の部屋の前で女王の身の安全を確認している。
善く言えば女王のSP。悪く言えば覗き見。
「本当に死を司る男と結婚するつもり?」
「ああ、純血の不死族が生まれるなら悪くない」
内容は所々しか聞き出せない。でも「結婚」はしっかり聞こえて、耳に残った。
何故か女王の結婚を心の隅で悲しむ自分がいた。
「そうか……。じゃあ、頭領は俺になるのかな」
「馬鹿言え。偽不死族の分際で我が不死族を継ごうなど考えるな」
家督争い……。じゃないけど、そんな感じので言い争いになっているみたいな雰囲気だ。
「……馬鹿だな、姉さん。不死族になるなんて簡単だよ」
ハハハッ、と狂った笑顔をまた浮かべる。女王は怯えている様子はなかった。……当たり前か。
「ふっ……。愚かしい。本当にその選択を取るのか?」
本当に心から馬鹿にした笑い。帰流は少しだけ顔を歪めて、また笑いだす。
「本気だよ。だから、早く───っ!!」
何かに物凄く焦れている様子だった。女王の胸倉を掴んで、必死に何かを乞うている。
「愚かしい我が弟に敬意を示す」
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