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Re: 不幸少年の日常+非常識 ( No.30 )
日時: 2011/01/10 15:47
名前: 魑魅魍魎 ◆UTmvEGhzaE (ID: OeXJRIuY)



「あ゛ーっ!!!」

何でコイツら米炊く時、あの中の黒いヤツ入れないんだよ!!


「だって聞いてないんだもん」

「だもん」


今日の炊事当番は緋雀と守導。いや、言わなくても普通解るだろ!!
クソー、無職のくせにぃーっ!!


「腹減ったー! 飯飯!!」

今帰ってきたのは逢魔。逢魔はその鍛えられた身体で引っ越し会社の仕事をしている。


「ただいまー」

何と眼鏡をかけてバリバリのビジネスマンをやっている祥雲。ロボット造る会社らしい。
……会社の説明とか、難しくて全然聞いてねぇけど。



   え、俺……? 俺は……。

本屋のアルバイト。守導と緋雀に笑われるけど、無職よりいいよな?


皆すっかり社会人になって、何と人間界で、女王と出会ったあのマンションで暮らしている。


皆で生活して、昔と変わらず喧嘩も多いけど。それ以上に笑いあって楽しく暮らしている。


男5人で暮らしてるからって、そんなホモとかじゃねぇんだぜ。



「お? 何かすげーこの米こげてねぇ?」

と茶碗にご飯を山盛りにした逢魔が言う。そりゃね、中の釜入れてないからね。

「これはこれでうめぇな」

別に気にしていない様子の祥雲。まぁ俗に言う“おこげ”と一緒だからね。

「なー、この卵焼き超力作!!」

と自慢げに見せびらかす守導。卵焼きを作ったのは守導で、何気に上手かった。

それを逢魔がパクリと食べる。

「あ、うめぇ」

味付けも申し分なし! と親指を立てる。守導がだろー! と嬉しそうだった。

「赤味噌がいいっつったろ?」

味噌汁に文句をつけているのは祥雲。味噌汁担当は緋雀。ちなみに、彼は白味噌派。

「えー、白味噌の方が美味しいよ?」

と軽く言い合いになっている緋雀と祥雲。


そんな彼らを置いて、俺はベランダに出る。




   もしかしたら、また紅いドレスが干されているんじゃないかと思って。