ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 呪いの動画【見てはいけない……】 prologue up! ( No.5 )
- 日時: 2011/01/08 16:23
- 名前: 黒蜜チェーンソー ◆mszflcyTKY (ID: QfUSk8fE)
- 参照: 何? 文章力ない? 分かってますけどおおお!?
prologue 2
俺は、気味の悪い笑い声で、目覚めた。
ドクロ型の目覚まし時計の放つ、目覚まし音だ。
時刻は午後零時。今日は早く起きた方だ。
いつも俺は、十二時間眠っている。今日は、わくわくしているからだろうか。
ふと、窓の外を見る。今日は珍しく雨だ。
灰色の雲が、濃い青色の空を覆い隠し、覆い隠された悲しみで、青空が泣いて、地上に雨が降っている。
雨だと、窓の向こう側から聞こえる、愚かな人間共の話し声、泣き声、笑い声、迷惑な楽器の音、工事の音を聞かなくてすめるのだ。
今日は最高の日だ。
「……まだ時間がある」
俺は暖かいベッドから出て、パイプ椅子に座った。
このパイプ椅子も、もうそろそろ壊れるかな……キィキィと耳障りな金属音を出している。
パソコンも、もう古い。小学六年になって、やっと買ってもらい、使い始めてから、もう十年以上経っている。もう壊れても可笑しくないだろう。
パソコンの電源を入れ、パスワードを入力する。キーボードのカチカチという小さな音だけが、部屋に響く。
デスクトップには、お気に入りの自殺動画、そしてゾンビゲームが沢山並んでいる。背景は、最近流行りのバイオハザードのゾンビの背景だ。
今日も、Internetexplorerをクリックし、youtubeと検索する。
そして、自殺動画を見る。
「……あの動画、残ってないかな……」
画面をスライドさせても、あの動画は出てこない。
「……削除されたか」
諦めたような声が、口から漏れた。
そして、手当たり次第に自殺動画を見ていく。
まず、飛び降り自殺をするおっさんの動画。ここはマンションの屋上だろうか。おっさんの少ししかない髪の毛が、ゴウゴウと物凄く音をたててふく、風に揺られている。
おっさんは、一歩前に出た。もう下を見ると、遠くの方に道路が見えるのだろう。まるで、鉛筆で描いた細い一つの線のように。
そして、まるでタイタニックのあのポーズのような格好をして、空を飛んだ……! 勢いよく落ちていく……!
まだまだ落ちていく。ずーっと落ちていく。そしてもうすぐ地獄に行く……!
おっさんは、勢いよく地面にぶつかった! もう顔は顔でなくなり、全身血まみれだ!
その上トラックにひかれて、沢山道路に血がベッタリついている……!
「アハ……アハハハハハ……」
もう笑いをこらえきれない!!
「アッハッハッハッハ!! アーッハハッハッハッハッハッハ! キャーッハッハッハッハッハッハ! アハハハハハハハ!」
お腹が痛い、興奮する、嬉しい、楽しい……!
「愚かな人間が……要らない人間が死んでいく!! アッハッハッハッハ、アーッハッハッハッハッハ! ……」
俺は笑うのを止めた。
と、いうより、面白すぎて、笑いでは表現できない……!
俺は、パソコンの電源をぶちぎった。
「……」
再びベッドに寝転ぶ。
「フフフッ……ハハッ……」
またこみ上げてくる……笑い。
「アッハッハッハッハ! キャーッハッハッハッハッハッ! グフグフグフグフ……アッハッハッハッハ、キャーッハッハッハッハッハッ!」
そう、俺は狂った道化。
普通じゃなく、檻に入れられた、狂った道化。
「アッハッハッハッハ! アッハッハッハッハ! ハハハハハハハハハッ!」