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「罠師達の1日」


月明かりに照らされる人気の無いビル郡の大通りに二トントラック程の大きさの狼が遠吠えをしている。
大剣を持った赤色の目をした少年が、それをビルの屋上から眺めている。
「死ね。」
少年はそう呟くとビルから飛び降り、狼の脳天を剣で貫く。
そして暴れる狼に“雷”と書かれた札を張り付け、狼の頭を貫通した剣を抜いて狼の頭から降りる。
「起動」
と、少年が呟くと狼の体を稲光が包み込み、一瞬にして狼は黒焦げになった。
鮮血の臭いと肉の焦げる臭いが辺りを漂う。
「帰るか」

俺達罠師は毎日奴等と戦っている。今を生き延びるため。
明日を生きるため。
生きる場所を取り戻すため。
大切なものを守るため。
仲間が死んでいく毎日が恐怖。
何時自分が死ぬのか、次が自分なのではないか。
どの道、俺達には戦うと言う選択肢以外用意はされていなかった。