ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

2年前と今と。 ( No.12 )
日時: 2011/06/11 13:56
名前: 神楽 妖 (ID: nqtZqZHy)

「御門利里さん?何ぼーっとしてるんですか!?」

無駄に高い教師の声が教室に響く。

「別に?」

わざと逆なでするような口調で言う。

「全く、貴女の成績では高校にも受かるかどうかなんですよ?。進学校としてしっかりとした自覚を持ってもらわないと。出席日数も足りませんし、態度も悪いときたらちゃんとしたところへ行けなくなりますよ?先生は貴女のことを思って……『先生に心配してもらわなくて結構です。』

はい、面倒な説教は強制終了。

……おっと、言い忘れてた。

「というか、虫唾が走るので心配しないでくれますか?」

教師の顔が歪む。

「先生の講義聞いてたら急に吐き気がしてきたので、早退させていただきます。」

十分過ぎるほど分かったと思うが、私は完璧な問題児へと成長していた。

「ねぇ、また御門さんだよ。」
「入った時からアレだもんねー。」
「よくここの中学来れたよね。面接とかどうしたんだろ。」

他の生徒のささやき声が聞こえる。

「あーあ。何か貴女たちの声聞いてたら、頭痛までしてきちゃった。慰謝料払ってもらえるかな?」

帰り際にぎりぎり聞こえる大きさでそうつぶやいてから、私は教室を後にした。