ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

2年前と今と。 ( No.20 )
日時: 2011/06/11 13:59
名前: 神楽 妖 (ID: nqtZqZHy)

「りりねえ?帰ってきたの?早いねー。」
「あっ、リリ?お帰り!」

ルルとララ。で、

「あー、宿題ある?」

ロロ。

「ただいま!……残念ながらないよ。ごめんね?」

……宿題が配布される前に帰ってきただけだけど。

ロロはちょっと残念そうな顔をしたものの、カレンダーを見てすぐに笑顔になる。

「明日は休みなんでしょ?問題集買ってきてね!」

……全く。可愛い奴なのか可愛くない奴なのか。


ま、いずれにせよこの時間だけは、あの出来事がただの夢だったように感じられる。



ただ、こういう時に限って邪魔ってもんは入るわけで。
不快なメロディーが家じゅうに響いた。

「リリ、出てくれる?」

ララが玄関を指差す。
私はいやいやながら、重くなった足取りを玄関に向けた。
来ている人が誰なのかはとうに分かっている。

「珠那さん?どうぞ。」

戸をあけると案の定、綺麗な赤毛をゆるくまとめた白衣の美女が立っていた。
その人しか、家に用がある人はいないのだから。

「久しぶりだね。利里ちゃん。」

「外出の時ぐらい、普通の服にしたらどうですか?」

珠那さんは私の呆れの混ざった質問を無視し、逆に問いかける。

「で、どう?最近。






             ———— クローン  の調子は。」