ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

凛の使者 ( No.28 )
日時: 2011/06/11 14:13
名前: 神楽 妖 (ID: nqtZqZHy)

「利里、何突っ立てるわけ。柚良がせっかく提案してあげたのに。」

頭上から声。
そして頭上=自分が落ちた木。

……は?

「て言うか利里も鈍ったねー。このぐらいで怪我するなんて。」

最初の句点までが木の上で、もう一つの句点までが耳元で聞こえた。

つまり、二つの文の間にはザザザッという効果音が入るわけで、

「……誰!?」

御門利里、ただ今目の前の不法侵入者にどん引き中です。

「誰ったてさぁ、同級生の顔と名前忘れてもらっちゃ困るよぉ?」

御門利里、ただ今目の前の自称同級生に警戒中です。

これでも記憶力はいい方だ。
同級生に興味がなくたって顔と名前ぐらいは全員覚えてる。

が、自称同級生の侵入者の外見と言えば——

腰まであるつややかな黒髪&整った顔立ち。
……つまり、かなりの美人。
そして、朱の着物に紺の袴……?

『こんなの』いたっけ。