ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 雨待ち人。 ( No.66 )
- 日時: 2011/01/17 16:56
- 名前: 涼原夏目 ◆YtLsChMNT. (ID: m26sMeyj)
「へぇー……じゃあ君、恋人を殺されたんだ」
意味深な笑みを見せながら俺の大学の先輩、雪上真白はそう言った。
ちなみに此処はマンションの近くにある公園で子供があまり居ないある意味最適な話場所でもある。
そして真白さんは腕を組みながら「うーん」と軽く唸ってから話を始めた。
「君、何か面白いよね」
「……雪上先輩の方が十分面白いと思いますよ」
「ははっ、言うな後輩よ」
皮肉はあっさりと跳ね返されて真白さんはニヤッと笑ってくる。ちなみにこの人には彼氏がいる。
ちなみにその人は俺の義兄弟で、名前は魅代夕。何でも元記憶喪失らしいけれど今は普通に大学に通っているらしい。
まぁ……記憶喪失の時に会った事無いから良くは知らないのだけれど。
「あぁそう言えば君、一応は夕の兄弟だっけ?」
「まぁ、そうですね。夕さんの両親が死んでから俺だけ母方の叔父叔母に引き取られて……真理と夕さんが父方の叔父叔母に引き取られて……まぁその後そっちの叔父叔母が離婚して夕さんが叔父のh「あー長い長い。要するに真理ちゃんと夕が同じ方に行って、それから真理ちゃんが叔母の方に付いてったんでしょ?」
「……はい。あ、でも夕さんと兄弟なのはそうなんですけど、真理だけ母親が違うんですよ。父が一回離婚したんで」
ちなみに、真理とは俺の妹だったりする。腹違いの、だけど。
……まぁ言ってしまえば俺と夕さんは同じ母親から生まれて、その後両親が離婚したら真理が生まれた。
そんでもって両親が死んで俺だけ母方の叔父叔母、夕さんと真理だけ父方の叔父叔母に引き取られた。
まぁ俺は一応平和だったけど向こうの叔父叔母が離婚して、夕さんは叔父に付いて行ってそっちは再婚したらしい。真理は叔母と二人暮らし。
……うわーややっこし。
「まーとにかく夕の事知ってるんでしょ? 小さい時とか」
「動物以外には無愛想な所なら良く覚えてますよ」
「あ、やっぱ無愛想なのは昔からなんだ」
真白さんはおかしそうに笑って伸びをした。俺はふと自分の兄であった夕さんの姿を思い浮かべる。
無愛想だけど何だかんだで優しい人だった。まぁ、最近はどうなのか知らないけれど。
……と言うか何の話をしてたんだっけ。
「あ、それで?」
「………何がですか」
「恋人を殺した人に、復讐しようとか思ってないの?」
……うーん。そう来ましたか。