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Re: ツァラトゥストラはかく語りき-アリス達の運命- ( No.6 )
日時: 2011/01/09 09:29
名前: 魑魅魍魎 ◆UTmvEGhzaE (ID: OeXJRIuY)



試しに、クロウが発条を巻いた。キリキリ……、と音がし、人形の瞳が開く。

「うわ、僕の予想的中」

本当に動き出すとは思っていなかったのか、発言した彼も驚いていた。


「私はピーチ・ブロッサム。忌まわしき吸血鬼が復活しています。どうか、皆さんの力でもう一度……」


  「吸血鬼の復活」それはあり得ない事態だった。吸血鬼は、何100年も前に、我が一族が滅ぼした……。




   忌々しい禁忌の存在なのだから。



「さぁ、皆さんも発条を巻いて下さい。そして、姉さん達を起こして……」


「吸血鬼の復活」それがよほど彼らを突き動かすのか、その言葉にいそいそと発条を巻きだす。



「わたしはローズ。レニール様にお仕えいたします」
と、恭しく一礼する人形はローズと名乗った。真紅のドレスに身を包んだ、まさに薔薇のような少女。


「私はカミーリア。エルザ様にお仕えさせていただきます」
地に膝をついて、忠誠を誓うようにいった彼女は、青い美しい海のようなドレスに身を包んでいる。


「えっとね、アスターって言うの。ロザリンドのお人形だよっ」
今までの人形とは違い、重々しさのない、愛らしい愛らしい、幼い人形。緑色のドレスがよく映える金髪をしている。


「チェリー・ブロッサムです……。お前が主ですか?」
少々生意気な彼女だが、主の事は大切に思う。ピーチの双子の姉と言う存在になっている。



  「さぁ、もう一度吸血鬼を滅ぼしましょう……!」