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必ずあの方に勝利して、そして……。あの殿方に、あの方を正してほしい。

本当の愛を教えてあげて欲しい。あの方は、愛に裏切られ、愛を信じなくなったお方。


「わたしたちは負けられないのよ。解っているわね?」

「うん! 解ってるよ!」


主たちが眠った時刻、夜な夜な人形は語りだす。

「私たちの手で、必ずあのお方を……」

「あのお方は私達の神」

彼女等は、あのお方に精いっぱいの敬意を示し、従い、尽くす。だから、死ぬのも厭わない。

「最も、あのお方が元に戻ってくれる保証はないけど」


それが正しい。喩え彼女等が命を懸けても、あのお方に届かなければ無意味。死んでも無駄死に。



でも、わたしたちは信じている。貴方が元の道に戻ってくれる事。

　いつもの優しい微笑みを取り戻してくれる事。

　　その腕が、もう一度わたしたちを優しく抱きしめてくれる事。





　　　　　　　　嗚呼、愚かしくも愛しい我が神───。