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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: ツァラトゥストラはかく語りき-アリス達の運命- ( No.10 )
- 日時: 2011/01/10 12:26
- 名前: 魑魅魍魎 ◆UTmvEGhzaE (ID: OeXJRIuY)
これを歪んだ愛情と言うのなら、俺は悪くない。悪いのは全てあいつ。
「私が彼らに授けた人形、上手に動いてくれているわ」
透明な水晶の中には、ローズと名付けた人形の姿があった。こちらに向かってきている。
力の媒介、レニールと共に。左手の薬指に赤い薔薇の指輪をつけて。
「……後悔は?」
リリアーヌ……。愚かしく、浅ましく、壊してしまいたいほどに愛しい存在。
「ないわ。貴方は?」
オウガ。私を利用しているつもりの貴方。貴方の企みに私が気づいていないとでも?
「俺もない」
……嘘。せめて死ぬ前に、お前を殺したい。俺が死にそうになったらお前を殺して、それから俺も死ぬよ。
「嘘ね。大丈夫よ、貴方が死にそうなら私が殺してあげる」
そして、そのあとに私も一緒に死んであげる。最も、彼が許してくれるか……。だけれど。
「それは有難い」
一緒に消えるのも悪くない。ただ、あの男がそれを了解するか。あの男はきっと許さない。
あの男は、リリアーヌを妻にするつもり。そして、誰よりも高潔の吸血鬼をこの世に生み出す気だ。
あの男の子を孕ませるくらいなら、殺す。
あの男の前でお前をズタズタに斬り裂いてやるよ。
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