ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 鳥籠遊び〜cage game〜 ( No.3 )
- 日時: 2011/01/09 11:55
- 名前: 桜音.*° ◆hjAE94JkIU (ID: S3B.uKn6)
1話 ミステリー研究部
————はっ。
またこの夢・・・・。
私,藤宮梓はいつものように授業中に居眠りをしていた。
いつもはチャイムがなるまで起きないが,今回は目が覚めてしまった。
——————眠いな。
私は,時計を見る。
あと,数分で終わりだ。
数分なので,ふたたび机にふて寝するわけにもいかない。
それにしても,あの夢は何だったのだろうか・・・。
人がはだしで走って黒い影に飲みこまれて・・・
——————ああ。
さっぱり思い出せない。
「あらあら,授業中の居眠りの常習犯さんが,珍しく考え事ですの?」
気づけば授業は終わって,皆掃除に移ろうとしていた。
「涼子かぁ・・・。わかった,今掃除に移るから・・・」
話しかけてきたのは,伊集院涼子。
学校に,多額なお金を寄付しているお嬢様だ。
同じ,ミステリー研究部の部員。
——————放課後
私と涼子は部室へ向かう。
「あ,涼子。またノート貸して」
「またですの?!いい加減,真面目に授業を受けたらどうですの?」
涼子はあれやこれや言いつつ,ノートを差し出す。
「おーーい!待てよ!梓に涼子!」
後ろから,煉が走ってくる。
煉こと,山吹煉。私の幼馴染でおなじく,ミステリー研究部の部員。
「全く・・・俺を置いてそそくさと言っちまうなんて,冷たいな〜」
「いいではないですか。結果,追いつきましたし・・・。」
「涼子・・・。お前がいつも置いていくじゃねーかよ!」
そんなこんなで,部室にたどりつく。
—————ガチャ。
中に入るとほかの部員はすでに来ていた。
「あ,お疲れ様です。」
劉斗君は軽くお辞儀をする。
「あ,遅ーーーーい!!あたし,待ちくたびれちゃったんだからね!!」
部長の桃花先輩はDSをスリープ状態にして手を振る。
「あ,遅れてすいませーん!」
私は,席に着いた。
「月,おはよう!」
私は部屋の隅で読書をしている女の子の声をかける。
「・・・梓。今はおはようではなく,さようならの時間・・・。」
「い,いや・・・さようならって・・・。来たばかりなんだけど。」
月は私のツッコミには動じず,本を読んでいた。
「やっと来ましたか。梓さんに涼子さんに煉くん。」
「また居残りでもさせられっとたんちゃうか〜」
彼らは,譲君と翼君。
私達とは違うクラスだ。
——————
「さて,今日は集まってもらったのはほかでもないよ。今日,図書室に行ったらね,面白そうな本を見つけたの!」
桃花先輩はそう言いながら,埃だらけの本を机の上に乗せた。
「これは,ドイツ語ですわね・・・。えっと,鳥籠遊び・・・?」
涼子は消えかけている文字を目を凝らして読む。
「へー。面白そうだな・・・。」
煉は本のページをめくる。