ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 鳥籠遊び〜cage game〜 ( No.6 )
日時: 2011/01/10 12:40
名前: 桜音.*゜ (ID: S3B.uKn6)

2話 白紙の本


煉は本のページをめくる。


「えっ、真っ白じゃん!!つまんなーい!!」


桃花先輩は、白紙のページを見るなり、文句を言う。


「先輩が借りてきたんじゃないですか!」


私は、煉から本を取ってペラペラとページをめくるが、見事に真っ白だった。


「なんで、真っ白な本が図書館にあるんですの?」


涼子の言葉に、皆が納得する。


「なんでしょうね‥‥。」


劉斗君が首を傾げる。


すると、さっきまで本を呼んでいた月が、口を開く。


「‥‥桃花先輩‥。その本、どこにあったかわかりますか‥?」


「えっと、ミステリー小説のコーナーだよ‥?」



予想外な質問に、桃花先輩も戸惑っている様子だ。



「‥その本、昨日はなかった。」


月の言葉に皆が驚愕する。


「月、ほんまかソレ‥。ただの見間違いちゃうんか?」


「‥翼、私は嘘はつかない‥。」


月の言葉の後、しばらく沈黙が続く。


「じゃあ、行って見ようぜ!本があった場所に!」


煉が沈黙を破る。


「え、煉。本気なの‥?!」


「梓、怖いのか‥?」


「いや、別に怖くはないけど‥‥。」


「じゃあ、行くぞ!みんなはどうする?」


「行くに決まってんじゃん!」


桃花は、ブイサインを出す。


「‥‥私も行きたい。」


月も前へ出る。


───────結局、ミステリー研究部8人で図書室に向かった。


「失礼します‥‥」


譲は恐る恐る扉をあける。


「譲、そんな恐がらなくてもいいんちゃうか〜」


「つ、翼だって足震えてますよ!」


「こ、こりゃあ‥‥貧乏揺すりや‥‥‥はは‥‥ははは‥。」


「譲君に翼、置いていきますわよ。」


涼子の言葉に2人はあわててついてくる。


────────
図書室は珍しいことに、誰も居ない。


「あ、月たんここだよ!」


桃花先輩は本があった所を指差す。


「‥‥これは‥」


月が言い掛けた時だった。



───────ぱっ。



いきなり図書室の証明が落ちた。

「な、何があったの!何も見えない‥‥」


私は、運良く電気スイッチの側に居た。


─────ガン


私の頭に、激痛が走った。



私はそのまま、気を失ってしまった。


朦朧とする意識の中、見えたのは黒い影だった。