ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 鳥籠遊び〜cage game〜 ( No.9 )
日時: 2011/01/10 12:39
名前: 桜音.*゜ (ID: S3B.uKn6)

3話 仲間


───────う、うーん‥‥。


私はパッと目を覚ますと、何処かの地下通路みたいな場所に寝ていた。



「そうだ、みんなは‥!」


辺りを見渡すと、みんなが近くに横たわっていた



「煉、涼子、劉斗君、桃花先輩!月、譲、翼!」


私はみんなの名前を呼び、起こした。


「あれれ‥?私たちなんでここにいるの‥?」


桃花先輩は、辺りをキョロキョロしながら言う。


「どれくらいの時間眠っていたのでしょうか?」


涼子は、ホコリを払いながら心配そうに呟く。


「どうやら、どっかの地下通路みたいやな。なぜ、こないな所におるんやろ‥‥。まぁ、とにかく出口を探すで」


翼の言葉に、皆頷き、歩き出す。


「‥‥ま、真っ暗だよ‥。どうしよう!!」


「もう譲君!男の子が恐がっちゃダメだよ!」


桃花先輩は譲の背中を叩く。


「‥みんな。」



不意に月が立ち止まる。



「どうかしたか?月」


煉は月に目線をあわせる。


「みんな、右手首をみて‥‥」


月の言葉に、皆が右手首をみる。


─────こ、これは‥‥!!



「まぁ、綺麗な腕輪ですわね。でも何故‥‥」


「この“10”って刻まれた数字も気になりますね。」


劉斗君は腕輪を色々いじっている。


「とにかく、出口を‥‥」


私が言い掛けた時‥‥‥。



「「そこに誰か居ますか〜!?」」



声が聞こえて、3つほど人影が見える。


「どちら様でしょう‥‥。」


涼子は相手に近づいていく。



──────


「いや〜助かったよ!うちら3人だったら心細くてさぁ〜。あ、うちは遊佐えりか!そこの、鳥橋高校の3年生だよ!」


えりかさんは、笑顔で手を差し出す。


「私は、南高校の2年。藤宮梓です。」


私も手をだし、えりかさんと握手を交わす。


「あ、こっちの男の子が同級生の、田辺星夜!その隣が星夜の妹の紗夜ちゃん!」


星夜さんと紗夜ちゃんは、深々と頭を下げる。


「えっとこっちは────」


私は皆を一通り紹介する。



えりかさん達に話を聞いた所、えりかさん達も私達と同じような状態らしい。



いきなり本に吸い込まれて、気付けば“10”という数字が刻まれた腕輪‥‥‥。


─────一体、どんな意味なのだろうか。


「とにかく、ここで会ったのも何かの縁ですし‥。出口までご一緒しませんか?」


涼子が話を持ちかける。
涼子は、昔から少々わがままなな所があるが、人との付き合い方はうまいほうだ。


「そうだね〜!レッツゴー!!」

えりかさんが先陣を切って歩き出す。


「あ、えりかちゃん待って!」


負けじと桃花先輩も、後ろに続く。


─────しばらく、わいわい進んでいると‥‥。


「あれ、階段じゃないか?」


煉が指差すほうには螺旋階段が続いている。


「よぅし!えりかと桃花ちゃんに続け〜!!」


えりかさんが走りだし、皆も走りだす。


階段がなくなり広い所に出た。


「ここ、どっかのホテルかなぁ?」

えりかさんがあちこち見ている。どうやらホテルのロビーみたいな所だ。



すると


─────ガタガタガタン!!!


いきなり、あがって来た階段の入り口とホテルの入り口らしき扉が硬い大きな壁でふさがれた。


「な、なんや‥‥どうなってるんや!」


翼が叫ぶと‥‥


────ギィイイ‥‥


奥の宴会場みたいな扉が開いた。


「なに、私達を誘ってるの‥?」

私は呟きつつ、前に進んでいた。


「梓!何やってんですの?」


涼子の声がまるで聞こえないかのように‥私は、奥の宴会場みたいな扉に吸い寄せられていった。