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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 黒薔薇の城のアリス ( No.143 )
- 日時: 2011/10/03 00:37
- 名前: rara (ID: 9QYDPo7T)
*黒薔薇の城のアリス 11
その光景をレオは見ていた。
「嫌だ、もう犠牲者は出したくない……!」
レオには絶えられなかった。
今までアリスは何百人、いや、何千人もの人々を殺してきた。
この少女を殺せば、犠牲者は一万人になってしまう。
レオは絶えられず、玉座の間に入った。
「黒姫様! これ以上やめてください!!」
その声にアリスは振り向いた。
しかし、淡々と答える。
「どうして?」
アリスの問いに絶望したが、レオは思いをぶつけた。
「僕には絶えられないんです! これ以上犠牲者が出るのが……」
「でも、こいつは私に逆らったのよ!?」
アリスは泣きそうな、でも怒り狂った目でレオを睨みつける。
実を言うと悲しかったのだ。
自分の思い人、レオに裏切られた事が。
そしてレオが言った。
「アリスがやめないなら、僕がアリスを殺す」
自分が罪を背負っても、命を守る。
レオはこの手段を選んだのだ。
しかし、アリスは抵抗もせず静かに笑った。
「……いいよ、レオに殺されるならね」
アリスの儚い笑顔を見て、唇を噛み締めながら呟いた。
「そうか、分かった」
レオはゆっくりと近づき、そっとアリスを抱きしめた—————。
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