ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: となりの駄菓子屋さん(霊的) ( No.18 )
- 日時: 2011/01/16 12:12
- 名前: 黒 ◆IZUTPCz4Po (ID: Aw5kQYTw)
私の目を見て静かに口元だけで笑う。
「あなたはさっき言いましたね。霊を見えるし達が悪い霊、悪霊だったならば感じや雰囲気でわかる、そしてこうも言いました。霊とは話さない……と。それはつまり、僕を霊とは思わなかったということなんです。ここにあなた以外の人物がいればいいのですが、あいにくそうではありません。だから口で言うしかないのですが——僕は今あなた以外見ることが出来ません」
つまり——……。
「今、僕は幽霊です」
私は「開いた口がふさがらない」というのはこのことだと改めて痛感した。
猫又さんが今、幽霊っていうことなんて誰が想像しただろう。
私は猫又さんが霊だってわかりませんでした……なぜ!?
「それも気になるのはわかりますが——少し僕の話を聞いてください。僕にはあなたの力が必要なんです」
私の力?
「私にお祓いする力はありませんよ?」
「いいえ、違います。お祓いではありません」
……沈黙が流れる。
私の力を利用して何をする? お祓いでもなければ、何に使う?
「あなたは一体何者なんですか?」
猫又さんの瞳を見つめる。
そうすると、猫又さんはニコリと笑って着物の胸元に手をつっこみ、何かを探している。
そして、ある一枚のお札を出すとそれを宙に投げた。
ヒラヒラと舞う一枚のお札に掌を向ける。
「召喚」
猫又さんが一言いうと、その瞬間お札が一瞬にして燃え、まるで手品のように火の中から大鎌が現れた。
柄の部分は猫又さんの下半身くらいの長さ(猫又さんの身長が見た目で一八五センチくらいで、足の方が長いと目で推測するとおよそ一〇〇センチプラスマイナスくらいかな)、刃は光で反射し、まるで人食いサメの歯のような凶暴さが表れている。
「表はしがない駄菓子屋の店長ですが、裏は『死界死神管理所付き人死神第一級、猫又志郎』です」
そう言うと、猫又さんは軽々しく持ち上げると肩にそれを乗っけた。
ずっとある死神のイメージってそんな感じだけど、もうちょっとそれをかっこよくしたような感じ。
っていうか何この大鎌……大きさといい刃先といい、すべてが超ド級……こんなの振りまわして死神って、猫又さんってひょろりとしてて力なんて全然ない非力な人かと思ってたのに!
人は見かけによらない……。