ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: となりの駄菓子屋さん(復活) ( No.2 )
日時: 2011/01/15 17:13
名前: 黒 ◆IZUTPCz4Po (ID: Aw5kQYTw)

 髪型は手入れをしていなさそうなボサボサ。赤い髪色は地毛なのだろうか、短髪だ。
 なんか……映画村とかに出てきそうな格好。こんな所でお目にかかれるなんてちょっと変な感じもするけど感動。

「僕に何かついていますか?」

 その時、その人とカチリと目が合ってしまった。一瞬で目をそらす私。
 珍しい姿だからなめるように全身を見てしまった所為だ。自分の手で顔を隠すように覆う。

「いえ、何も……」

 その時、怒られるか何か文句をつけられるか……そんな予想をたてている時思いがけない言葉が私の耳に飛び込んできた。

「あなた、霊が見えますね?」

 え……この人はいきなり何を言っていいるのだろう。挨拶の次の言葉がこんなことってありえるのだろうか。
 こういう人は厄介だし事件に巻き込まれる原因になる。早くここを立ち去った方が良い。

「すいません、急いでいますので」

 私は再度門扉に手を掛け、扉を開けた。軋む金属製の音がする。
 ラッキーの犬小屋にラッキーがいない……誰か散歩にでも連れて行っているんだろう。
 私は後ろにいるあの人と目を合わさず、門扉を閉める。そしてまるでビデオの早送りでもしているかのように、すぐさま玄関に飛び込んだ。

——この不思議な体験をしてから、この一年間忘れられない記憶となったのである。