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Re: となりの駄菓子屋さん(霊的) ( No.20 )
日時: 2011/01/14 19:04
名前: 黒 ◆IZUTPCz4Po (ID: Aw5kQYTw)

「猫又さん、幽霊じゃない!?」
「あの時は死神管理所から送られてきた一時的に幽霊になれる薬を使ったんです。本来は、死神ですよ」
 死神管理所? シニガミカンリジョ? まぁいいや。
 死神……やっぱ世界って広いなぁ。こんな人がいるなんて。
「その大鎌って、死神を描きなさいって言われたら一〇〇人中八〇人くらいは描きそうな……」
「これで人間界にまだ踏みとどまっている幽霊なんかの首を狩りとって死界へ送るんですよ」

 なんかちょっと怖い話になってきた……。
 っていうか死界って何? シカイ? 死海? ……まぁ流そう。
「死神と幽霊ってどう違うんですか?」
「え!? あぁ、それは……うーん……どう言ったらいいんだろう……」
 大鎌を肩に乗せたまま腕を組み、思案する猫又さん。
「死神って、人間でもないし幽霊でもない中間地点の人間です。だから死界に存在するんですよ」
 また出てきた、死界。もう我慢できない。
「ちょっと待ってください! 死界とか死神管理所とかさっきから何なんですか?」

「あれ言ってませんでしたっけ?」
「言ってませんよ!」
「えぇと、じゃぁ最初から説明しますね。世の中には幽霊というひとくくりで表現されていますが、本来は陰霊と陽霊というものに分類されるんです。読んで字の如く、陰霊はつまり悪霊。陽霊は人間に害をなさない霊。ですが、陰霊も陽霊も関係なく死神はそれらを死界と呼ばれるものに送らなければなりません」
なるほど。私が見ているのはほとんど陽霊ばかりかもしれないな。いわくありげな場所なんてみえるから行かないからかもしれないけど。
「死界というのは、幽霊達の分岐点です。そこで幽霊になって人間界へ行き、一体どんなことをしてきたのかによって、天界へ行くか地獄へ行くか決められるのです」

これはよくある話かも。でも、死神管理所っていうのが一番気になるところ。
「死神管理所というのは、私達死神が管理されている場所です。そこで、有能な魂であれば死神へと生まれ変わりまた新しい赤子として来世の順番がやってくるまで死神としてそこで働くのです。そこで新人死神育成所や様々な分類に分けられている、いわばこの世界の均衡を保っている大切な場所ですね」