ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: ——となりの駄菓子屋さん—— ( No.26 )
日時: 2011/01/15 13:10
名前: 黒 ◆IZUTPCz4Po (ID: Aw5kQYTw)
参照: 第五章 カーテンの先に

「え? 花瓶? 幽霊? ちょっとその話よく聞かせて」

 私は新聞部、小説記事担当、そして良き私の後輩であり席が隣の加奈子ちゃんにパソコンから椅子をくるりと回し向き直った。
 ただ今、次の新聞記事を書きあげるために必死に情報を探しまわっている、部室にほとんど人はいない。放課後は一番人が自由でよく喋る時間帯だ。。
 加奈子ちゃんは情報とかに無縁な小説を連載しているため、気にしないで静かな部室で小説が書け、はかどると言っていた……ような気がする。

「オカルト記事の愛華先輩に朗報かなと思って」

 加奈子ちゃんの丸眼鏡が光る。

「どんな話? 詳しく聞かせて貰おうかな」

 私はそう言うと内ポケットの手帳とペンを出し準備をする。

「いいですよ。えっと……これはうちの友達が言っていた話なんですけど——うちの学校って毎日夜中に警備員さんが巡回しているんです。その友達のお父さんが偶然うちの学校の警備員さんだったので、話は嘘ではないようです」

 ということは、確証はあるってことか……。
 でも、オカルトのほとんどが空耳だったり、気のせいだったり、何か別の物だったりっていうことがよくあるから、まだ信用出来ないなあ。

「一週間前、警備員さんが、夜いつものように学校を巡回していたそうなんです。それで、三階に来た時風が通るヒュゥ〜という音がしたそうなんです。それで、窓を開けっ放しにしているのかと思い三年生の教室の鍵を開け中に入ったんです」

それって南館の三年生かな? A組って言ったら——。

「はい。三年A組は南館です。あの、何か質問とかありますか?」

いや、ないよ。ごめんね、話途切れちゃって。どうぞ。

「はい。そうしたら、教室の一番奥の窓が開いていたんです。警備員さんはやっぱりか、なんて思いながら閉めようと思ったんですけどよく見たら人が立ってるんです」

 そこに?

「そうです。でも、足だけ見えて胴体と顔は後姿だしカーテンがはためいて隠していたのでわからなかったんですが、でも足は見えたっていうんです」

 なるほど……それで?