ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: ——となりの駄菓子屋さん—— ( No.27 )
- 日時: 2011/01/15 15:20
- 名前: 黒 ◆IZUTPCz4Po (ID: Aw5kQYTw)
「はい。で、警備員さんがもう夜遅いから帰りなさいって言ったんです。どうも、うちの男子の制服を着ていたようで生徒だと思ったんでしょうね。そしたら、急に花瓶がパリンって割れた音がしたそうなんです。なんだろうと思って何をやっているんですか、と言った瞬間に、頭に物凄い痛みが走ったんです。後頭部って言っていました……何かに殴られたような感覚……もうジンジンしてて痛みが体中を駆け巡って、立っていられない程で……あまりの激痛にその場で倒れこんで、気付いたら教師に助けて貰った、と。後から調べてみると、その教室の窓の下に丁度バラバラに割れていた花瓶があったそうです。元々花が活けてあったんですが、その花もぐしゃぐしゃになっていたんだそうです」
……なるほど。
三年A組の下って園芸部の花壇じゃないかな……花を育てる部活動なのに、目の前に割れていた花瓶があったら悲しいだろうな……例えそれが誰かのものでも。
私はその場で一瞬考え込み、応答がないことを加奈子ちゃんに指摘され、初めて気がついた。
「えぇーっと、ごめんごめん。その人を見つけた教師っていうのは……誰かな?」
「わかりません。名前をよく知らない方に助けてもらったんだそうで……」
「もう何も聞いてないの?」
加奈子ちゃんは、はいという短い言葉を言った。
私は手帳を見て話を整理する。
この段階で見ると、陰霊って感じはわからないけど……でもどうなんだろう。
その話はまだ公表されていないの?
「はい。まだ先輩にしか喋っていません」
そう……。
ということは、この話を記事に出来るってことか!
「だからさっきからそう言っているじゃないですか。こうやって喋っているのに」
加奈子ちゃんはひきつった笑いを浮かべる。
このネタをどうやって面白くするかよね……やっぱここはさっそく店長に話すべきでしょう。
あ、でもその前に……。
「その話ってうちの学校で間違いないよね?」
「はい。絶対です」