ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: となりの駄菓子屋さん(復活) ( No.3 )
- 日時: 2011/01/16 11:38
- 名前: 黒 ◆IZUTPCz4Po (ID: Aw5kQYTw)
- 参照: 第一章 新聞部は今日も騒がしい
「ボツ」
部長の言葉が私の頭に深く強くこだまする。ショック……。
「ぶちょぉー!」
私は部長のデスクに手を掛け、詰め寄る。私の新聞記事想定内容書は、デスクの上に部長の手によって叩きつけられた。
ここは新聞部部長室。私は新聞部部員でこの学校の昇降口にある大きな掲示板に一週間に一度張り出し、生徒にはもちろん学校の様子や学校の訪問者などに「双葉学園高等部」の学校はどんな学校かっていうのを知ってもらうため。江戸時代の瓦板みたいなもの。その新聞は一応本物(みんなが手にしてる読売新聞とか朝日新聞ね)とそっくりのように作り、生徒に配られるようになっている(でもそれは別売りなのでうちの部費になるんだけど)。
「当り前じゃない! こんな記事を載せる為にあなたをトップ記事にしたんじゃないのよ!?」
新聞部部長、田嶋桜子。高校三年生。
昭和時代に流行った丸眼鏡が特徴的で、ショートカットが物凄く似合う人(それは一回りほと標準と思われる顔より大きいため)。
「わかってる!? あなたはうちの新聞部の期待のエースなのよ!? あなたがトップ記事になるかどうか、それに相応する記事かどうかで部の予算が変わってくるの! ちゃんと働いて貰わなきゃ困るわよ!」
口調は違うものの大阪のオバチャンのようなテンションには毎度押される……。
「木島、彼女コンクール成績を順番に言ってって」
木島と言われた男はうちの副部長。新聞部部長室の掃除、雑務、部の予算案など部員の記事を見るに忙しい部長に代わって全ての雑務を担当するのが、木島悠介。三年生だ。
「はい。関西文学賞コンクール最優秀賞、翌年準優勝。本の杜芸団社文学新人賞、佳作賞。森明社文学コンクール、最優秀賞……などの功績があります」
相変わらず機械のような口調。メガネのフレームを人差し指で器用に押し上げる。
「あなた何回うちの学校の舞台に上がって表彰されたのよ。あなた文章は唸るほどすごいけど、アイディア探しは全然ダメねぇ〜。それじゃぁ、立派な作家にはなれないわよ。作家にはアイディアの能力も必要なんだから」
私作家になりたいって一言も言ってないような気が……。
「それ、新入部員の間違えじゃないんですか?」