ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: ——となりの駄菓子屋さん—— え、ちょ、もう参照100突破 ( No.30 )
日時: 2011/01/15 19:19
名前: 黒 ◆IZUTPCz4Po (ID: Aw5kQYTw)

 ここか、と小さいため息と共に言葉を発する。
 ここがオカルト現場。真相に近づくためには中に入ってみないとわからない。
 鍵は「二年生、新聞部の取材です」と一言いうだけで簡単に貸して貰える。
 一年生はまだ無理だけど、二、三年になったらそれが出来るから結構取材でも便利になってくる。それだけ新聞部の権力は絶対であるということ。それに、こんな形でやってもしっかりと責任がある人を選ぶように部長が激選しているメンバーだ。
 私は鍵穴に鍵を差し込。
 ちょっと緊張してきた……いや、三階も階段を駆け上がった所為か? 息が乱れている所為か?
 理由はともかく、ゆっくりと大きく深呼吸をする。
 そして、鍵をゆっくりと回す。カチリという気持ちのいい音がした。
 何もとっつかえなく、そろりと開いた扉。

「おじゃましまぁ〜す……」

小声で一言言うと、一歩足を踏み入れた。
 その瞬間、私は息をのんだ。
 教室に誰もいないから物凄くここの雰囲気が伝わってくる……人が一人でもいるとその一人の雰囲気もかぶさるからわかりづらくなるんだけど、今は違う。
 その途端にやってくる異質なもの……これは?
 何かわからないまま、足を一歩一歩確実に踏み入れて行く。
 それと共にじわじわと広がる恐怖心——……こんな気持ち初めて。
 陰霊は町や人の背中で見かけることはある。でも、そんなに嫌悪感や恐怖心を抱くことはない。通常生活と同じ。だけど——……。
「違う」
 私は声に出して言ってみる。
 これは何か違う。絶対違う。