ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: となりの駄菓子屋さん(復活) ( No.4 )
- 日時: 2011/01/15 13:22
- 名前: 黒 ◆IZUTPCz4Po (ID: Aw5kQYTw)
「え、そうだったっけ? 木島!」
出たよ。何かわからないことがあったらすぐに木島。部長の得意技でありうちの新聞部の名物となっている。
「はい、彼女は新聞記者と入部届けに書いております」
木島副部長も同い年なのに敬語で返してるって、どんだけ上下関係激しいんだろううちの部……。
「あれま、ごめんなさい。作家志望は他の子かしらね」
「部長、きっと新入部員の入部届けが記憶に新しいからそっちの方と間違えたんじゃないんですか?」
「僕もそう思います」
木島副部長も便乗してきたし、たぶんそうよね。部長、苦笑いしてるし。
「それはそうと、すそべさん?」
「部長、彼女の名前は始祖部です」
すぐさま言葉を訂正する。
「あら、ごめんなさい始祖部さん」
いつ部長は私の名前を覚えてくれるんだろう……私ここに入部してもう一年経ったんだけど。
私は小さくため息をついた。
「とにかく、始祖部さん! こんな記事ではトップ記事に掲載することは出来ません! もうちょっとアイディアを考えてから提出してください。こんな話だめです!」
どうしてですか? とってもいいと思うんですけど……。
「どこがいいんです! だって、初対面のしかも引っ越ししたての人から霊感ありますよね、なんて言われて大事件だって言ってこれを新聞記事想定内容書にするなんて……これはトップ記事に載せるものですよ、そんな馬鹿げたこと出来るわけないでしょう!」
馬鹿げてなんかないですよ! だって急にそんなこと言われて怖いじゃないですか!
部長はさっきの私のため息よりも数倍大きなため息をついた。わざとらしいのが、部長らしくてむかつくけどそこは気にしない。
「いい? あなたの新聞記事担当はオカルト記事なの。それでうちの学校でもう公認じゃない。ミステリアスで霧に包まれてる謎を解明して、あなたの文章能力で売上げを伸ばす! これじゃぁ全然だめ。面白くないし、伸びない。それに、あなたそんなことを言われて取材いって『私に霊感はありません』って言って終わりじゃない」
そうですけど……もしかしたら、自身にも知らない心の奥底に眠ってる力があるのかも!