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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: となりの駄菓子屋さん(復活) ( No.5 )
- 日時: 2011/01/14 21:46
- 名前: 黒 ◆IZUTPCz4Po (ID: Aw5kQYTw)
すると部長は顔を左右に振る。
「ないない。あなたに限ってそんなことないない。そうしたらもっといいアイディアが生まれてるはずよ」
それとこれとは関係ないと思うんだけど……。
「わかりました! それじゃぁこうしましょう!」
「木島、次の提出者連れてきて」
木島副部長がはいと答えたが、なお私は続ける。
「今回の記事で新聞部過去最高の売上げを叩きだしてみせます! この私のトップ記事でね!」
次の瞬間、ピタッと部長の動作が止まった。まるでビデオの停止ボタンを押しているかのようだ。
っていうか、後ろで木島副部長も一緒に止まらなくていいと思うんだけど……物凄い違和感。
私は、笑いそうになって提出書で口元を隠す。
「それが出来なかったら?」
そのままの姿勢で部長が尋ねた。出来なかったら……。
「私がもうトップ記事に載ることはないと思ってくださって結構です!」
「言ったわね」
その言葉が再生ボタンの代わりのように動き出す二人。その動作も物凄い違和感。
「わかったわ。結果は見えてる、まぁ……頑張ればいいじゃない?」
「その考え、覆して見せます!」
部長と私との間に火花が散る。
「それでは失礼します」
私は背筋を伸ばし優雅な仕草で部長室を出て行った。
新聞部は部長室と部室が隣にあるので、部長室の扉を開けるとそこはもうみんなが作業している。教室くらいの部屋に、向かい合わせになってデスクが並んでいる。
私は一番、部長室に近い端の席だ。まだ部員達はカチャカチャと忙しなくキーボードの上で指を滑らせている。
私はカバンを持ち上げ、パソコンを閉じると横から可愛らしい声が飛んで来た。
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