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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: となりの駄菓子屋さん(復活) ( No.7 )
- 日時: 2011/01/12 22:08
- 名前: 黒 ◆IZUTPCz4Po (ID: Aw5kQYTw)
「あれ、帰るんですか先輩?」
彼女は新島加奈子。部長が見つけてきた優秀な新入部員だ。昨年の私のようにかなり期待の目をみんなから注がれている。「第二の始祖部愛華」などとも言われる始末であり、部長が新入部員発表の号外の記事のとき、トップを飾ったのはこの加奈子ちゃんだ。
普段はとても温厚で優しく、温かい笑顔が魅力的な人だ。
赤い眼鏡をかけていて、二つくくり。時々おさげにしている姿は全然昭和っぽくない。断じて違う。
隣どうしの席であり、話も合うことから結構親しくしている可愛い後輩だ。
「ちょっと部長と対決してて」
「対決!? 一体何があったんですか? まぁ、それなりに大声とか聞えてましたけど……」
やっぱり聞えてたのか……この間、私はゆっくりと壁に添って扉へと移動する。
「中身は聞えてないよね?」
「えぇ、全然。それにしてもどうして?」
「説明は後。すぐ出掛けなくちゃいけないし」
「ついていきましょうか? 取材ならお供がいるでしょうし」
加奈子ちゃんは立ち上がり、出口にいる私を心配そうに見つめる。
本当に偉い子だねぇ〜……。
「いや、いいよ。ありがとう。心だけ貰っとく。それじゃぁ!」
私は高々と右手を上げ可愛い後輩に対してかっこいい先輩を演じた。背後からいってらっしゃいという声を聞き流しながら(それと共に男子から「何かっこつけてんだ」という呟きに関してはしっかり理由を聞いておしおきしないとね)。
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