PR
ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 己ノ呪縛と己ノ刀 ( No.1 )
- 日時: 2011/01/10 00:14
- 名前: 蒼天の彗星 ◆7dc6rjLZUg (ID: A9EK.QpX)
- 参照: 我はここに宣言する、次の小説大賞。我が勝ち取るなり!!
〜プロローグ〜
この物語は孤独な呪縛を受けた少年の物語—————————。
この物語は孤独な呪縛を受けた少年と己の刀の物語————————。
その物語は平凡な一軒家の刀鍛冶屋から始まる。
「親方、まだ刀鍛冶させてくれないのか?」
「うるさいぞ、桐谷。今日やらせてやる」
「マジさ!?やったぁああ!ありがとさ、親方!!」
この二人は長き間、師弟関係を築いてきたのだった。親方と呼ばれているのは鋼山弘毅。
かなり厳しい事で有名なおじさんだが正義感が強く中身は優しい。
桐谷と呼ばれている方は紅桐谷、真っ直ぐで素直な奴である。刀は命同然らしい。
そしてこの日は自分で刀を作ってよいという許可が出たから大げさに喜んでいる。
それ程彼には大きい事なのだろう。そうでなければこんなに気持ちを表に出さない。
「失敗は禁物だからな、俺が教えた事を全部叩き込め」
「わかってるって、へへっ!!」
そう自信気な笑みを残して鍛冶場に向かった。その背中を安心して弘毅は見つめていた。
鍛冶場からはすごい音が鳴り響く、その状態はしばらくは止まらず半日でやっと止まった。
「桐谷、終わったか?」
「いい感じに出来たさ、親方のおかげださ」
桐谷の手元には切れ味の良さそうな刀があった。しかし親方はあえて何も言わなかった。
「今日はもう遅い、早く寝ろ」
この刀、己の刀が災いが起こるなど誰も予想できないだろう。
PR