ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 世界に届かず彼女は堕ちる ( No.21 )
日時: 2011/01/12 23:20
名前: ポアロン (ID: rb3ZQ5pX)
参照: 自分の文才の無さに腹が立つ今日この頃。

第一魔法:永遠に咲く花に名を



『なーなー聞いた?“永遠の魔女”が覚醒したんだってな』
『へ? “永遠の魔女”が覚醒剤した?それって危ないことじゃん』
『お前の聞き間違いは本当はわざとなんじゃないかって思えてくるんだけど。覚醒!!目を覚ましたってことな』
『いちいち教えなくてもいいよ、そいつバカなんだから』


夕方であろうそのオレンジ色に光る空を飛びながら、真っ黒な服に身を包んで。

『そろそろ、行こう。



           フォー=アラスメントの、ところに。』




                           ▽




「兄さん何処かに行くのか?」
僕が砂を片付け終わってから家の中へ戻ると、フィーが靴を履いているところだった。
「あぁ、ビシャウナのところに、な。
じゃあ行ってくる」
「あぁ、じゃあ晩飯作っとくな」
「ん」
『ガラララ』『バタン』
ドアを開けて兄さんが家を出ていく。

———嗚呼、一人、一人、独り。
———独りは嫌だ、独りは嫌い、独りは--------------------------

「寒い」

僕の思いが、昔の思いが溢れて溢れて溢れて堪えない。 兄さんがいなかったあの日までの僕。 兄さんが来るまでのあの孤独感。

気 持 ち 悪 い 。

の一言。

「兄さん早く…早く早く、帰って来てよ…?」




                           ▽




コンビニで制服姿の立ち読みしてる高校三年生女子。しかもこの夕方に。普通不良としか思えない。でも容姿は文学少女。 だからさホラ。皆が私を見ては何か言ってる。 まぁ気にしないけど。 ていうか人の目線なんざどうだっていいだろ。

「……チラチラ…人のこと見てんじゃねぇよ!!!」

———やっぱ無理。
———イラつくわ!!

「手前らんだよ、何か文句あんのかあ゛ぁ!!?」

———自己中なバカで不良みたいだと罵られても良い。
———とりまストレス発散させとっか。




                           ▽




-石野一高等学校 屋上-


「ねぇ鬼良問題です。アタシの持ってる病は何でしょうか」
「人を好きになれない病」「せーかい」

高校三年生=部活動無所属。 そんな理由でアタシと鬼良は今日転校して来た学校の最上階、つまり屋上で話している。 別に屋上立ち入り禁止、とかの校則、無いし。
ハッキリ言って、この高校は規則とか校則とか、あんま無い。だから縛られない、そーゆーのに。

「では理由は何でしょうか」「好きになった人を殺したくなっちゃうから」「せーかい」
そう、アタシはそんな病気。 病気じゃないけど、病気なんだ、一種の、ね。