ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 世界に届かず彼女は堕ちる〜あれれ、参照200、もう突破かw〜 ( No.55 )
日時: 2011/01/19 22:13
名前: 緑紫 (ID: rb3ZQ5pX)
参照: りょくしです。ちなみに元ポアロンでっす

「……頭…痛い」

ふらふらと歩く僕のその姿は、傍から見れば戦死寸前の奴にも見えないことは無いかもしれない。それだけ重症だのかな?頭痛が。

———多分此処は夢ん中。
———だと思う。

その暗い道、否、空間を歩みながら僕は一人、いや独り進み続ける。行く宛てなど無いけれど。

しばらく歩くと、何か嫌な臭いがしてきた。うん、嗅いだことある臭いだ。嗅ぎたくない臭い。異臭、とでもいうんだっけな。
臭いを嗅がないように、服の袖で鼻を覆う。けど無駄だろうな。だって死体の山だもん、此処。

「………ッ…ぁ…」

力無き声を上げ、傍にある太い柱によしかかる。
死体の顔を良く見れば、いや良く見なくても、そ れ は 自 分 の 、 フ ォ ー = ア ラ ス メ ン ト の 顔 だということが直ぐ解る。
無惨な殺され方をしている僕もいれば、そのまんまの格好で死んでいる僕もいる。
死に方も、沢山あるんだね。
僕は少なくとも、惨い殺され方だけはされたくないんだけど。





『あはは! あははははははっ!!!』

「———ッ!?」

突然、と言ってもおかしくない。後ろから笑い声が聞こえて来た。 振り向く先には、小さな少女。 黒髪黒目の言うならばそう、妖艶。
そんな少女が僕に、いや正式には僕の死体に向かって、ハサミを振り上げた。
———もう…殺されてるんだよっ!?
———それ以上何をする気------------------

僕が彼女を止めようとした時は、既に遅かったようで。

『ザクッ』「あははははは!! 黒魔女の目玉、取ったり〜!!」
彼女は僕の死体の目玉をハサミで抉りだし、それをハサミでぐちゃぐちゃと掻き混ぜる。
嫌な音と感情と想像が頭の中に映し出された。

「ひひっ、あははははははっ!!こう見てみると無様じゃのう、黒魔女! やはり黒魔女より永遠の魔女の方が強いのじゃ!」

———エイエンノマジョ。
———そいつは…確か…?

エグいその場面にもなんとか慣れ、僕は少女に、永遠の魔女に話しかけることを試みた。
また次の僕の死体の腹の中をぐちゃぐちゃ掻きまわしている彼女の肩を引っつかむ。

「…っんにゃあああ!!?」
想像以上の驚き方で、逆にこっちがびっくりする。 ということは置いといて。
「なあお前。何やってるんだ?それは立派な犯罪だと「うっさいシネ」「え……」

声を出す暇も無かった。顔面の直ぐ前を、つまりは目の前を、血の付いたハサミが飛んでいく。異常なスピードで。
パラパラ、とハサミの突っ込んでいった壁が砕ける。
———アレに当たってたら僕、頭蓋骨割れてた、の話じゃ済まないだろうな…。
思いながらも影を操り、彼女の手足を縛り付ける。

「———っ…なに、するのじゃ!!放せぃカス女!!!」
———誰がカス女だよ。

「貴様は遠い遠い未来にはもう、存在しとらん筈なのに…!!何故、なにゆえそんな姿で儂の前に現る!? 存在を…存在を封印して、壊した筈なのにっ」

そんな彼女の叫びは、僕の耳には入ったけれど、決して脳に届くことは無かった。